ゲーム障害

esportsにも懸念されていることがあります。
それは、「ゲーム障害」です。
gamingdisorder

ゲーム障害とは

ゲーム障害とは、オンラインゲームの過度な依存によって私生活に影響をきたす疾病のことです。
国際疾病分類(ICD)の11回目の改定に伴って、日本時間2018年6月18日19時に世界保健機関(WHO)から新たな病気として定義されました。

ICDとは

ICDはWHOによって定められる死因、疾病の分類の国際基準で、正式名称は「疾病及び関連保健問題の国際統計分類(International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems)」です。
前回改定されたのは1990年で、今回約30年ぶりに改定されることになりました。

今回公開された国際疾病分類の第11回改定版(ICD-11)は2019年5月にあるWHO総会に提出され、承認される予定です。
ICD-11には、ゲーム障害の他にも性同一性障害や東洋の伝統医学に関する記述が追加・変更されています。
WHO総会での承認から1〜2年かけて和訳の作成などの手続きを進めて、その後日本国内でも適用される見通しです。

ゲーム障害の基準・症状

ゲーム障害と判断される基準は、以下の通りです。

  • ゲームの使用を制限できない
  • ゲームを最優先する
  • 日常生活において問題が起きてもゲームを続ける
    または
    ゲームによって日常生活に重大な問題が起きている

近年、日本でもesportsの普及と共にゲーム障害の問題が取り上げられています。

ゲーム障害は、

  • 肺機能や持久力の低下など、明確な体力の低下
  • 目の障害、栄養不足、睡眠不足
  • うつ病

といった、様々な精神面・体力面での健康被害が出ています。
韓国では、ゲーム依存によるエコノミー症候群での死亡例が出ています。
症状

ゲーム依存症の治療

ゲーム障害、ゲーム依存の治療はどのようにして行われるのでしょうか。
ネット依存の外来を設けている久里浜医療センターでの入院治療の例を見てみましょう。

久里浜医療センターでの入院治療は、以下のようなプログラムを通して6週間から8週間程かけて行われます。

  1. ネット依存を様々な角度から考え、具体的に生活をどのように変えるか考える認知行動療法
  2. 睡眠サイクルを整え、体力をつけるための日中の運動
  3. 医師や看護師、栄養士、作業療法士などによる睡眠、運動、栄養、依存、健康問題などについてのレクチャー
  4. 定期的な主治医の診察、様々な検査、体力測定

これによって規則正しい生活を身につけ、ゲームから脱却しやすくなります。
生活リズムを整えるということに重点を置いていることが分かります。

他の依存症の脱却方法、体験談

入院治療以外の方法でゲーム依存から脱却した人もいます。
私たちは依存症全般に範囲を広げて、他にもゲーム依存を脱却する鍵となるものがないか調査しました。
そして、依存症の体験談から依存症を脱却するヒントを二つ見つけました。

就職(元の環境に身を置く)

若くして結婚、出産をした20代のAさん。
当時仲良くしていた友人に連れられてパチンコをはじめましたが、子育てのストレスや夫との関係不和で次第ににのめりこんでいきました。
パチンコに行って1日に数百万浪費することの罪悪感と大当たりが出るかもしれないというスリルの狭間で苦しみました。
悩んだ末、そのパチンコを紹介した友人との関係を断ち、前職の看護師に再就職しました。
それによって仕事や育児に集中できるようになりましたが、すっかりやめた今でもパチンコの誘惑に駆られることがあるそうです。

期間を決めてやる(やる気、かんがえて行動する。)

パチンコ依存症を脱却したBさんは、禁煙に挑戦しました。
半年ぐらいまではたばこが夢に出てくる時がよくありましたが、その時に吸ったらこれぐらい後悔するぞ、と自分に言い聞かせて禁煙生活を続けたそうです。
しだいに健康志向が強くなり、食生活まで健康を考えた生活を送れるようになりました。
一年経つとやめてよかったと思うようになり、健康にかなり自信が持てるようになりました。
現在Bさんは健康第一で有意義な日々を送れることが出来ています。
依存症を脱却するなら、完全に断ち切らないと達成するのは難しいようです。

他にも依存症を体験したことのある人は多くいます。
そういった人たちの声に耳を傾け、様々なヒントを得て生かしていくことが大切です。
また、依存症について語る場を設けることも効果的でしょう。

ゲーム障害の対策

死亡例がでた韓国では、

  • ネット依存について相談できる
  • 11泊12日のゲームなしの日常を取り戻すためのキャンプ"Rescue School"

というように、国を挙げてネット依存対策を行っています。
特にRescue Schoolについては、参加者の70%がその後良好な日常生活を送っているという実績もあります。

日本でゲーム障害に対する先進的な治療を行っている病院はまだ少なく、国を挙げた取り組みがまだありません。
私たち一人ひとりがゲームをする時間をコントロールして、依存症になることを防ぐことも必要です。